宗教は人生のあらゆる側面をカバーする

イスラームは、ムスリムたちがモスクの中で祈りやサラー(礼拝)を通して行う、霊的な目的というだけではありません。

その信徒が信じる、単なる思想や信条のみというわけでもありません。

また、単なる包括的な経済システムなのでもありません。

システムと社会を建設するための、法則や理論だけなのでもありません。

他人との付き合いにおける、単なる品性と素行のまとまりというわけでもありません。

しかしイスラームとは、人生のあらゆる側面をあらゆる次元と距離から取り上げる、一つの自己完結的な手法なのです。それゆえにイスラームは上述のものと、それ以外のもの全てを包含します。

アッラーはこの恩恵をムスリムたちに全うされ、この完全なる宗教が私たちのものであることに満足されました。アッラーはこう仰せられたのです。『この日、われはあなた方に、あなた方の宗教を完成させた。また、あなた方にわが恩恵を完遂し、イスラームがあなた方の宗教であることに満足した。』(クルアーン5:3)

ある時、ある不信仰者が偉大なる教友サルマーン・アル=ファールスィーに、嘲笑を交えつつこう言いました。「あなた方の仲間(アッラーの使徒rのこと)は、大小の用の足し方まで、何でもあなた方に教えるというのか?」サルマーンはこう答えました。「ええ、彼は私たちにお教えになりました。」それから彼に、その事におけるイスラームの決まりと作法について述べたのです(ムスリム262)。